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在宅医療にもCHEの活躍の場(?)

 筆者は当学会の認定資格である認定ホスピタルエンジニア(CHE)の第1回試験の合格者177人の内の1人です。医療設備の負荷としての医療機器を専門的に扱う臨床工学技士が設備関係者との共通言語を持つべき、との助言を当時は当協会理事であった小野哲章先生から頂きました。

 CHE受験から11年が過ぎた2023年7月、臨床工学技士が集う第33回日本臨床工学会に参加しました。抄録集を見ると『総務省中国通信局合同企画セッション:医療機関における安心・安全な電波利用推進の現状と課題』と題したシンポジウムが本学会最大枠である2時間で企画されていました。登壇者の1人、当協会の理事も務められた加納隆先生は臨床工学技士であり、医療と設備の橋渡し役を実践して来られた功績が称えられ、前月には第73回『電波の日』総務大臣表彰を受けておられました。改めてお祝い申し上げます。

【参考】総務省: 令和5年度「電波の日・情報通信月間」における表彰(2023年5月26日)

 明示的に設備を志向したセッションは僅かでしたが、設備マネジメントの重要性を訴える内容の講演や発表が散見されました。病院という規模の大きい医療環境であれば設備の専門家にアクセスしやすいため専門分化したマネジメントが可能ですが、在宅医療における療養住環境となると個別性が高い上に医療設備の専門家の介入が少ない現状が異口同音に示されていました。

 筆者の調査なので正確性に欠くかもしれませんが、平成28年度と令和2年度の5カ年で比較すると、入院総数は1割程減少しましたが、在宅人工呼吸療法は1割程増加しています。更に細かく見ると在宅人工呼吸療法患者に占める19歳以下の割合は4割程増加しています。在宅でも生命維持管理装置を使う機会が増え、医療的ケア児の自宅療養も増えていることが垣間見えます。

 在宅で用いられる生命維持管理装置には医師や看護師、臨床工学技士らの呼吸ケアチームが医学的専門性を持って関わりますが、設備やエネルギー、生活といった療養住環境の専門家は希少人材かもしれません。新型コロナウイルス感染症の流行拡大による『医療逼迫』が報道されたことをご記憶の方も多いと思いますが、入院病床が不足すれば在宅医療が拡大する必然性を考えると、在宅医療に関わるCHEが増えて行くことも必然かもしれません。

広島国際会議場(2023年7月20日・筆者撮影)

 ここからは余談ですが、第33回日本臨床工学会は当初5月開催予定でしたがG7サミットの広島開催が決定すると7月に延期されました。学会場はG7サミットでも使われた広島国際会議場であり、第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』のロケ地にもなった場所です。

 筆者が訪問した日は平和祈念式典のテントを設営していました。この記事をお読みの方は重機にお詳しい方も多いと思いますが、この機に広島の復興工事についても関心を持ってみてはいかがでしょうか。

平和記念式典の設営風景・平和記念式典の設営風景(2023年7月20日・筆者撮影)

広報委員 K.N