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HOSPEX中止で想うこと

 1976年より続いていたHOSPEX(HEAJと一般社団法人 日本能率協会との共催)が、2023年度は開催されないことになった。

 病院建築や設備や展示会のあり方など、取り巻く環境の変化とはいえ建築設備業界に身を投じて47年(病院建築設備に本格的に従事し始めて36年)の筆者は一抹のさみしさを覚える。

活気ある展示会の思い出

 病院設計は、事務所建築等と異なり院内感染、超清浄手術室(バイオクリーン手術室)、ICU,RI管理区域、シールドルーム、医療ガス、感染性廃棄物などといった特殊用語を用いて医療従事者と打ち合わせを行う。また、MRI,オートクレープ、内診台、人工透析装置、超音波洗浄装置などの医療機器・検査機器などの設置条件(寸法、荷重、シールドの有無、空調条件、特殊電源、特殊排水、局所排気などなど)を理解していないと建築図・設備図の作成が出来ない。そのような情報を得る手段としては、筆者の若かりし頃は、日本建築学会偏「建築設計資料集成」、産業調査会事典出版センターの「医療機器事典」、医療機器メーカー作成の「機器設置図」などであったが、唯一現地で実際に目で見て、体験できるのがHOSPEX(当時は「病院設備展」といっていた」であった。現在の東京ビッグサイトではなく晴海の展示場での開催あった。ダイオキシンが問題になったときの医療廃棄物用焼却炉が屋外に何台も展示されていたり、会場に入ると目の前に自走台車が吹き抜け空間を縦横無尽に走行していたり、各メーカーのブースでは高圧蒸気滅菌機、リハビリ用装置、ナースコールシステム、無影灯などが所狭しと並んでいて、真面目に見たら1日でも足らないくらいで翌日も足を運んだものである。

現状と今後への期待

 ここ2,3年のHOSPEXでは展示ブースが小さくなる、常連のメーカー・エネルギー会社の出展がなどの変化は気がかりであった。

 昨今では欲しい情報がネットなどで容易に入手出来るし、医療コンサルタント会社などがまとめた医療機器関係の資料が設計者・施工者に浸透してきているのかもしれない。

 古い考え方かもしれないが、病院建築・設備の設計をする際には、実際のものを見て、手に触れて、メーカーの方々と情報交換をする「場」が必要である。今後は健康・医療・福祉の展示会である国際モダンホスピタルショウとの連携などの含め、このような「場」の存続を期待する今日この頃である。

※本年11月の第52回日本医療福祉設備学会では新たなチャレンジとして、小規模ながら学会会場において十数社の併設展示の開催が決定しています。どうぞご参加ください。

広報委員 A.S